今は昔、男ありけり。
アルムリック家令嬢アリエル誘拐の咎により、アビスに落とされん。
彼の者、深淵の底に囚われしアリエル嬢を救い出し、自らの嫌疑を晴らす。
なお地の底に蘇りたる悪魔を封じ、ブリタニアを救わん。
吟遊詩人の歌に残るアビスの伝承の一つだ。
アビスの深淵で蠢くスラッシャー オブ ベイルズが徳の間からあまり離れられないのは、あの時あのエリアに封じたからだ。
そして、あの悪魔を封じたことでアビスは海の底に沈み、あのダンジョンに閉じ込められ屯っていた人たちはダスタードへと移住したはずだ。
なのに、人がいる?
我々を救ってくれないか?
近づくと、困ったというより狼狽えたふうに頼ってきた。
[依頼]
アンダーワールドを探索し、行方知れずの冒険者達を見つけ出せ。
デュガン長老[Elder Dugan]に彼らからの状況報告を伝えるか、彼らの辿った運命の証拠を持ち帰れ。
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よくきたな旅人よ。
私はアリエルヘイブンの長老デュガン[Elder Dugan]だ。
我々は採掘者であり、この山に入植するようアルムリック男爵[Baron Almric]より命じられておる。
この謎に満ちた山が口を開けて出現したのち、我々は偵察隊を送り、野生生物が徘徊する古代都市の廃墟を発見した。
そこで我らが男爵の許しのもと、この新しいエリアに入植してアリエルヘイブンと名づけたのだ。
冒険者を送り込んで野生の獣を少しずつ排除しているおかげで、今の所はこの付近の安全を確保できておる。
ところが、次の入植場所の選定に昨日送り込んだ者達がまだ帰らぬ・・・。
少し心配になってきたところだ。
この山に行かれるのであれば、彼らを探してはくれぬか?
彼らが無事であるならば、状況を聞いてきて欲しい。
しかし、もしもなにか不幸が起きたのであれば、彼らの辿った運命を示す証拠を持ってきてはくれないか?
そうだな、彼らはアリエルヘイブンの身分証[Ariel Haven Wirts of Membership]をそれぞれ持っているはずだ。
それで身元が確認できるだろう。
WirtsでなくWritsでないかな?とは思ったが、口には出さず、
だが、この危険なダンジョンでそのような余計な探索をする余裕があるはずもなく、依頼を断ろうとした。
よろしい、旅人よ。
私は望まぬ者に我が内なる問題を押し付けたりはしないのだ。
彼らがただ見つけた宝を守ろうとしていて帰りが遅いだけであることを祈ろう。
・・・ずるいと思うのである。
その様に潔いと、こちらの余裕の無さがとても恥ずかしい。
では、余裕があれば、、、という事で探すことを引き受ける。
ソーサリアの長い歴史の中で、アビスは何度も海の底に沈んだり浮上したりといったことを繰り返してきた。
かつてアリエル嬢を拐ったトロルを探索した時の形状がほぼ保たれているのは奇跡に近い。
と言っても、違うところも少なくない。
不思議と、ゴブリンどもは同じ所をテリトリーとしているが、海の底でこいつらは大丈夫だったということだろうか。
丁寧に探索しているとグレイゴブリンのテリトリーの奥に隠れている人を見つけた。
どうも、デュガンの言っていた行方不明冒険者たち唯一の生存者のようだ。
ネビル・ブライトウイッスルと名乗る彼はデュガンの元へ連れて行って欲しいと懇願してきた。
詳しくは「ブライトウィッスル家の生存者」の記録に譲るが、
彼を連れて行ってデュガンに話しかけた。
おお、なにか我らの仲間の知らせはあるかね?
あなたが無事に、私も勇気付けられるというもの。
彼らからの伝言か、あるいはせめて4人分の消息を知らせてほしい。
もし私に渡すものがあるなら、どれのことなのか指し示してくれ。
と、ネビルについては無視された。
というより、アリエルヘイブンの入口までは確かに一緒だったのに、タリスマンをひとつ残していつの間にか消えていた。
いきなりデュガンに合わせようとしたのが悪かったのか、顔を合わせづらいのか、逃げたんだろう。
・・・探すのも面倒くさい。
どうせついでの仕事だ、完遂できなくても仕方ない。
ほんっとうに、仕方ないので探索を続けた。
すると、橋を渡らず出口に続く道を戻ると、アリエルヘイブンからそう遠くない湿地で4人の遺体を見つけた。
最近死んだと思われる4つの死体がある。
その服装は長老デュガンにそっくりだ。
悲劇を目の当たりにした今、あなたは彼らの運命の証拠を持ち帰るというデュガンとの約束を思い出した。
その服装からおそらくコイツラがデュガンの探している冒険者なのだろうと推察できる。
うざったいことに、ロットワームの巣になっているようで、周囲に湧いていたロットワームを倒していると、彼らの装備がヤツらの胎内から出てきた。
おそらく喰われてしまったんだろうな。
けど、結構沢山倒したけどデュガンの言っていた身分証みたいなモノは見つからなかった。
まあ消化されちゃったんだろう。
身分証のことは諦めて、ここの探索を続ける事に-他に何ができるというのだろう?-。
ウロウロしているうちに迷ってしまい、瞑想のアンク神殿にたどり着いた。
たしかこの先にある隠し通路で出口に戻れたはず、と出口に向かう事にした。
散々な目に合っているしね。
隠し通路の前によくいるブラッドエレメンタルは幸いいなかったが、数匹のロットワームが這っていた。
EVで屠ると、その内一匹から胃酸で溶けかけたボックスを吐き出した。
Rotwormは死んだ。
あなたはスクロールの箱を見つけた。
中には証書[Parchment]が入っている。
箱は崩れて塵と消えた。
なんでこんなところにいるロットワームから見つかったんだろう。
・・・もしかしたら、遺体のあった湿地は何処かで地下川につながるのかもしれない。
地下川はこの近くまでつながっているから、ここまで下って来たのか。
あの川で泳ぐのは絶対に辞めよう。
まああんな瘴気渦巻く川で泳ごうとか考えないわけだが。
アリエルヘイブンに戻り、デュガンに身分証を渡す・・・
おおお、まことに悲しい報せよ。
一番恐れていたことが現実になるとは。
実は彼らは5人いたのだ。ブライトウィッスル[Brightwhistle]の三人兄弟、サージオ[Sergio]、そしてブートウェル[Bootwell]嬢だ。
長男と一緒に、末のネヴィル[Neville]は死んだのだろう。悲劇じゃな。
このたいまつを貰ってくれ。
大きくは無いが、ロットワーム[Rotworm]達はこの火を恐れる。
あなたの守りとなるだろう。
今まで見たことが無いくらい長く燃えるとても優れたものなのだぞ。
正直言ってあまり蓄えは無いのだが。
ロットワームの恐れる火、、、ね。
あほか、あの蟲が火に弱いのは、冒険者必携UOモンスター協会に書かれているわ。
さらに言えば、エネルギー属性攻撃のほうが弱いんだよ!
・・・まあ、くれるというものは貰ってやる。