[依頼]
ああ、虫ずが走る!
あの毛むくじゃらの足で歩き回られると、吐き気がするよ。
何のことかって?クモさ!
この世からジャイアントスパイダー[giant spider]を12匹減らしてくれたら、何かお礼をするよ。
などと、意味不明のことを口走っており・・・
エルフの帰還で彼らの故郷ハートウッドに行き来できるようになって、
エルフの智慧を間にあたりに出来るここは色々と面白い話を聞けるというので、
彼らと雑談したりしているのだが、時々こういうことを頼まれる。
あまり乗り気でない様子を見せると、、、
そうかい。
でも、何かの拍子で気が変わったら、いつでも来てくれよな。
てな感じで、そう真剣な困りごとでは無いとは思うんだけどねぇ・・・
まあ、私も蜘蛛は嫌いだ。
でっかい蜘蛛を見るとひとつの作品を思い出す・・・
昔、異界のジャンプなる雑誌にコスモスエンドっつー漫画があっただよ。
昔、行方不明になった辺境探査宇宙船が発見され、その唯一のありえない生存者が今際の際に警告を発する。
ある期日までに銀河中心部探査船ユグドラシル(・・・だったかな?)を発進させろと。
ありえない生存者は知らぬことではあったが、銀河中心ギンヌンガ・ガップから宇宙の終わりが始まるのを阻止する為にある存在から彼は未来に送り込まれたのだった。
はたして銀河中心部探査船は一人の女の子を巻き込み期日に発進するのだが、謎が謎を呼ぶその旅路。
ありえない生存者の持ち帰ったデータ解析に現れるコードOMとは?
コードOMが導く解が描くクラインの壺の意味とは?
ああ、もうネタバレ!
実は、宇宙創世から間もなく発生した第一知性種族が自らが衰退し滅び行く運命を悟った時、
自分たちの存在は奇跡であり、今後確率的にこの宇宙には自らと同じ知性体が生まれ得ぬ絶望に宇宙を作りなおそうとしていたのだった。
コードOMの導くクラインの壺は、ギンヌンガ・ガップをして宇宙の全てを吸い込むブラックホールとし、同じホールをホワイトホールと化し全てを吐き出す=ビックバンの意味。
つまり、この宇宙を卵に戻し人工ビックバンを起こそうとしていたのだった。
2つ目のありえぬ奇跡たる第二知性体=人類はこの宇宙を守ることができるのか?
巻き込まれた女の子は親元に帰れるのか?
時間に引き裂かれる愛は、物理学理論に救われる!
例によって2巻分で打ち切られたわけだが。
一応単行本になっていて、それにもう一本読み切りが載っていた。
タイトルが思い出せないorz
こんな感じの話。。。
どこかの窓の無い部屋で目覚める主人公たち。
だが、記憶が無い。ここはどこなのか。自分たちは何者なのか?
状況を確認しようと部屋から出る。
部屋の外は通路だった。左右に伸び双方向とも少し登り坂になった通路だ。
そこに巨大な蜘蛛が襲いかかってくる。
通路を逃げる彼らだが、登り坂をずっと走ったにもかかわらず、
振り返った今きた道はまた登り坂。この先も登り坂のままだった。
わけも分からず、近くの部屋に飛び込み武器や乗り物を手に入れる。
記憶がないにもかかわらず、武器や乗り物の扱いに慣れている主人公たち。
出口も窓もないこの建物だが、エレベータを見つけ昇る。
そこは何故か軽重力の真っ暗な場所だった。
だがそこは外ではなく蜘蛛の棲家だった。
探査の末、蜘蛛たちを退ける事に成功するが、建物から飛び出してしまうそこは・・・宇宙だった。
建物だと思っていたそこは亜光速宇宙船だったのだ。
実は、地球が核戦争で汚染され、人が住めない状態になってしまっていた。
人類はその存亡を賭け、数万年におよぶ放射能汚染を避けるため、宇宙に脱出。
しかし、数万年もの間も維持できる施設はありえない。
だが、智慧の人たる人類は、亜光速宇宙船で銀河を一周しもどってくれば、
ウラシマ効果で数百年の旅が数万年の時間を越えることができるという奇策に打って出たのだ。
蜘蛛たちは無重力と保存遺伝子培養液の高栄養剤とで巨大化してしまっていたのだった。
だが、亜光速宇宙船の行く手に計算外の小惑星帯が!
このままでは宇宙船が破壊されてしまう。地球まではまだ遠い。
この危機に主人公は死を覚悟して挑む・・・
とまあ、巨大蜘蛛で思い出すわけっすよ。
などと熱く熱く語っていたら、、、
まだまだだね。
さあ、続きを頼んだよ。
とか連れないことを言う。
どっかで読めるようにならんかなぁ・・・とかくだらない事を考えながら蜘蛛どもをなぎ払い戻ると、
あきらかに関わりたくない風に黙って報酬を渡してくれた。
面白いんだよぉ。アレ。