[依頼]
蛇牙の一味(Serpent's Fang Sect)にはもう我慢がならん!
私の腹の虫を収めるために、やつらを10人、血祭りにあげてくれ。
だが、私は女に戦いを挑む気はない。
ヒューマンでもエルフでもかまわんが、男だけだ。
・・・
まあ、落ち着け。
いきなり何を言い出すか。
何があったかは知らないし、聞く気もない。
思うに、君に必要なのは休息だ。
何とかなだめ、落ち着かせる。
そして、いかなる理由であろうと血祭りにあげるなど物騒なことはしないとキッパリと断る。
しかたないな。
だいぶん冷静になった彼ではあったが、どうにも挙動不審だった。
ブツブツと何かを呟き、時に座っている椅子の肘掛けを殴りつけ大きな音を立てる。
スクっと立ち上がったかと思うと、膝をつき頭を抱え崩れ落ちる。
椅子に座らせ、なだめていると、彼の呟きが耳に入ってくる。
140文字の制限があるかのように、短い文章で、時系列はバラバラのようだが、大体の流れは推測できる・・・
これは、、、身の毛もよだつような話だ。
なんという事だろうか。
ブラックオーダーの悪事-テロリズム-は、マイノリティゆえの主義主張の爆発かと漠然と捉えていた。
だが、、、
彼の話が本当であるならば、それは大きな間違いだ。
狡猾な犯罪者集団。搾取と陵辱と暴力に満ちた奴らの、ソーサリアへの挑戦ではないか!
いや、君たちは知らないほうがいい。
知れば眠れぬ夜が続くことになるだろう。
そして、決してブラックオーダーには近づくな。
まさか。。。信じがたい。普通ならそうとしか言えないことだろう。
だが本当であるならば、放っておくことはできない。
もちろん暗殺者共への報復を引き受ける。
ブラックオーダーの根城は、周到に隠されている。
なんでもその入口は、ひなびた漁村にカモフラージュされているそうだ。
連中の根拠地と言われている漁村は聞いたことがある。
ブラックオーダーの探索は邦をあげておこなわれている。
特に、勇島捜索隊の帰還率が少し低いと言う噂がある。
誤差の範囲だと思えるほどの僅かな違いだが、その行方不明者分布を地図にすると件の漁村が濃く浮かぶ。
さらに行方不明の日時場所をリスト化すると、漁村で行方不明が発生すると他の場所での事件が増える傾向が見て取れるのだ。
連中を一掃するべく、大規模な討伐隊が組まれたことがある。
だが翌日攻撃という時に、急にMt.Shoが噴火する惨事が発生し、その救難の為に延期せざるを得なかった。
しかも、その漁村はMt.Shoの麓にありその噴火で壊滅したと思われていた。
だが、あの話からすると、まさかとは思うが、Mt.Shoの噴火そのものが連中の。。。
いやしかし、それだけの力を持っているのであれば、もう。。。
謎が謎を呼ぶが、件の漁村でそんなことを考えながら無防備に歩いていると、小箱を踏みつけてしまった。
刹那、不意打ちでもされたのか、異様な感覚が体を突き抜け、目の前が真っ暗になる。
気がつくと、よく解らない場所にいた。
扉が見えたので近づくと、、、
御館様にはお通しできかねます。
どうぞ御前のテレポーターよりお引取りください
どこからともなく、というより耳元で囁かれた。
戦慄が走り反射的に飛び退いたが、それ以上どうということもなく、耳が痛いほどの静寂があたりを包んだ。
しばらく様子を見たが、何も起きないので扉を開くと、そこは中庭のようだった。。。
慎重に奥に進むが、特に何もないし誰もいない・・・
幾つかの部屋が中庭の周りに配置されている構造で、奥に大広間がある。
大広間はおそらく集会場なのだろう、最奥に一段高い場所がある。
そこに立って見渡すが、怪しいところがあるわけでもない。
しかたなく戻る、、、と、中庭に抜ける扉の前で背後から襲われた。
アサシンだ!
やっぱりココはブラックオーダーのアジトなのだろう。
一旦引いて態勢を立て直す。
反対側の扉から出ようと走ると、そちらでも待ちぶせ攻撃を受けた。
マズイ、と思う暇もなく切りつけられる。
必死で沈静化の歌を唄い攻撃を止める。
EVを放ち、一旦インビジで隠れ治療POTで回復する。
なんという事だろう。
おそらく、ココから出ようとすると普通には聞こえない警報が連中を引き寄せるのだろう。
とんでもないトラップだ。
入れても出れない、出ようとすると引きずり込まれるトラップ。まるで蟻地獄のようだ。
何度かEVを放ち、アサシンどもをなぎ払うが、連中も相当の手だれでなかなかしぶとい。
なんとか中庭に強行突破しトラップで飛び出してきた連中は扇動し、なんとか脱出できた。
最初の小部屋、おそらく玄関で聞いた声が異様な印象を残してくれていて助かった。
テレポーターが作動しなくなるトラップだったらアウトだっただろう。
幾人かのアサシン野郎を斃したので報告に戻ると、ボロボロになった私の姿を見て察してくれたのだろう。
黙って報酬を渡してくれた。。。