[依頼]
少し聞いてくれないか、我がドゥ・ボア家は宝石商として名を馳せていた。
だが、私が生まれた頃から陰りがみえ始め、
私が当主となった以後も様々な手を講じたが、
全て裏目にでてしまった・・・・・・。
数年前、私は最大のミスを犯してしまった。
創始者ジャーン・ドゥ・ボアが[戦いに用いたという由緒正しき盾を、
事もあろうか高利貸しに預けてしまったのだ!
その盾は他人にはただの盾に過ぎない。
だがやつはその盾と交換に様々な宝石を執拗に要求してくるのだ・・・・・・。
病に蝕まれた私も長くはもたない・・・・・・。
我が血筋もこれで絶えてしまうだろう。
だが最後の誇り、そして我がドゥ・ボア家の名の為にも、
あの悪党の手に盾を残していく事は断じてできない。
ここで会った縁に甘えてもいいだろうか。
我が盾を取り返す手助けを頼めはしまいか。
それはたいへんだねぇ
こんな所を"歩き回って"いてもいいのかい?
無理な頼みという事は重々承知している。
だがこの死にゆく男の為が最後に家の名誉と誇りを取り戻す手助けをお願いできないだろうか・・・・・・。
死に行く男ねぇ・・・
エメラルド、100g前後×10。
ルビー、75g前後×10。
ダイヤモンドに至っては200g前後×10、しめて約4000g弱!
・・・下手な芝居うたなくてもやってやるさ。
名誉は何ものにも換えがたい。
血は血を求め、名誉は血を求める。
が、第三者ならお金で済む。血なまぐさい事になるのを避けるもまた徳の守護。。。
引き受けてくれるか・・・本当にすまない。
この付近の怪物達からも宝石は手に入るはずだ・・・・・・。
やつらは罪もない人々を丸呑みにしていると聞く。
その荷物もなにもかも、な。
宝石が揃ったら、渡してくれるものを指定して教えてくれ。
君が大切にしている宝石をいただいてしまっては申し訳ないからな。
・・・それってどうなんだろう?
怪物に飲み込まれた人にも家族はいるだろう。
その荷物を漁る様なマネは名誉を傷つける。余命いくばくもなくトチ狂ったか?
ちゃんと鑑別所・鑑定書付を揃えてやるさ。。。
幸い銀行そばだ。ちょいとお金を持って宝石商へ。
購入リストを見て、店員がチラッと意味ありげな視線をよこす。
おそらく宝石商仲間、ならばドゥ・ボアの話は筒抜けなんだろう。
お人好しだねぇ、と言いたげな目だ。
さっさと揃えて戻ると、、、
遂に揃ったか!
徳の加護のあらんことを。
本当に、心の底から感謝するよ。
すまないが・・・最後のお願いをしてもいいかい?
目に涙を一杯にためながらそういう・・・
最後ね・・・
まあ、予想はつくが・・・