私は蜘蛛が嫌いだ。
高揚すると瞳が紅くなるわけではないが、蜘蛛が嫌いだ。
そんなわけで蜘蛛城に通ってはブチ倒しストレスを解消していた。
ある日、ロストランドをうろついていると、うっかり蛇城の近くに来てしまった。
マズい、、、、オフィディアン共の襲撃を覚悟した、、、のだが?
なぜか連中は私の事が眼中にない。
明らかにこちらが見えているはずなのに襲ってこない。
様子を見つつ、近づいてもほぼ無視される。
一度ならず目が合ったのに襲ってくる気配がない。
そういえば、ロストランドの何処かで珍しい薬を手に入れることができると聞いたことがある。
「恐れのエッセンス」や「破壊薬」といったか。
それを手に入れてくる連中の共通項が虫嫌いだったと言う話も聞いたことがある。
もしや・・・
思い切って蛇城へ入ると、いきなり巨大なオフィディアンに出っくわした・・・が、やっぱり無視された。
???
さらに奥に進むと、なにか料理をしているらしいオフィディアンがいた。
私の気配に気がつくと、こちらを見てつぶやいた。
Salis:忠誠心高き冒険者よ、力を貸してくれ。
もう少しで防衛戦を突破し、ベインの選民を叩くことが出来るのだ。
ベイン?よくわからんが、もう少し話を聞こうとすると、、、
Salis:お前はまだ信用・・・シュル・・・できない。
だからこの極秘任務を明かすことはできない・・・シュル。
オフィディアンへの忠誠度が低いので、取引に応じてもらえません。
なんなんだ。
そのまま、作業に戻ってこちらを見ようともしなくなった。
・・・
面白く無いので、暴れたいところだが、オフィディアン共に囲まれたここで暴れるほど分別がないわけではない。
もちろん、蜘蛛共を抹殺してやらんとばかりに蜘蛛城に向かった冷静な私がいたのだったw
とはいえ、極秘任務という意味深な言葉が気になる・・・
そういえば連中も蜘蛛どもと争っていたハズだ。
蜘蛛城のある山の山道にも連中の侵攻部隊が常に待機して、蜘蛛共が降りてこないように見張っている。
たしか忠誠度が低いとか言ってたな。
ならば、蜘蛛どもをこれだけ倒した今なら(欠片も無い訳だがw)忠誠を認めてくれるかも?
早速、蛇城に向かうと、やっぱり連中は攻撃してこない。
さらに前と違う事に、入口近くに居たオフィディアンどもが話しかけてきた。
オフィディアン語はよくわからんが、「シュシュッシュィシュィ」と言っているようだった。
忠誠を認めたのか?欠片もないぞwww
攻撃してくる気配はなかったので近づくと、両手に瓶を持っていた。
それこそまさに、例の「恐れのエッセンス」と「破壊薬」だ。
そうかさっきのは「いらっしゃいませ」か、あるいは「こちらはいかが?」か?
身振り手振りで、どうしたらそれをくれるのか聞くと、約1300gほどでわけてくれるらしい。
ふむ、とりあえずいらないから「また今度」と身振りで伝える。
さて、奥の料理人オフィディアンに話しかけてみる。
すると前と違い、こちらに近づき話しかけてきた
[依頼]
ロットワームシチュー[boul of rotworm stew]、ブラックロックの小片[small pieces of blackrock]5個、Terathan Avengerの腕1つをサリス[Salis]に渡して報酬を受け取れ。
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オフィディアンの味方よ、ようこそ・・・シュル。
私は我らの宿敵ベインの選民どもの力を削ぐための秘密プロジェクトに取り組んでいた。
ベインの選民はベインドラゴンの餌と引き換えに、それを欲する者どもを利用していた。
あの不思議なブラックロックシチューのレシピの秘密を掴んで売り広め、奴らの勢力を弱めるというのが私のプロジェクトだ。
レシピがほしいのか?
一枚分けてもよいが、条件がある。
Terathan Avenger の腕を1束、ロットワームシチューをボウルに1杯、ブラックロックの塊を5個もってきてくれれば、交換にレシピを1枚渡そう。
やってくれるか?
んだよ。
そんな事か。
随分、迂遠な作戦だなぁ・・・
変な争いに巻き込まれるのは本意じゃないと伝えると、、、
そうか・・・シュル。
だが忘れるな。
あのレシピがあれば、ベインドラゴンだけでなく、その乗り手までもシュ・・・支配できるぞ・・・シュル。
?なにかオマケがあるのか。
まあ、ちょっとだけやって見てもいいかな。
ロットワームシチューのレシピは前にウチの料理人に渡したから作れるだろうし、
ブラックロックの小片もなんに使うのかわからないから余っている。
Terathan Avengerの腕・・・?あんな枯れた小枝みたいなモノがなんで必要なのか知らんが、
蜘蛛を倒せば取れるもんだから大した労があるわけでもなし・・・
などと考えていると、、、
材料はまだか?
ブラックロックの小片を5個、ロットワームシュ・・・シチューをボウル1杯、Terethan Avenger の腕を1束持って来い。
全て揃ったら、どれを渡してくれるのか指定して教えてくれ。
ようするに、さっさと行け、行って持って来いということか。
蛇ごときに指図されるいわれはないが、まあイイだろう。
持ってきてやろうじゃないか。
ふふん、サクッと品を集めて取って返す、、、が、蛇はたいして驚いた様子もなく(こいつら表情が無い;)
サリスは材料を受け取ると、身をくねらせてテーブルに向かい、なにやら紙きれのようなものを取出すと、身をくねらせて再び貴方の所に戻ってきた。
これがベインドラゴンの力の源となるブラックロックシュル・・・シチューのレシピだ。シュシュ・・・約束通り、お前に・・・シュル・・・渡す・
助力に感シュ・・・謝する。
そう言い紙切れを渡すと、後ろを向いて作業を続けてしまった。
ためしに、もう一セット持ってこようか?と聞いたが、無視された。
ちぇっ。